- Q1. 今教育改革が進んでいますが背景は何ですか。
- AIの進歩やグローバル化が加速する中で、子どもたちの将来を取り巻く環境は、容易に予測できないものになります。
「10年後には、現在の人間が行っている業務の半分が機械にとって代わられる」とか、「20年後には、現在の職業の約65%がなくなっている」というような研究報告もあり、子供たちは予測しづらい未来を、自分たちの知恵と力で切り開いていかなくてなはらないのです。
そのような未来に必要な力は、「知識・技能」に裏打ちされた「思考力・判断力・表現力」であり、また自ら「主体性」をもって学び、他の異なる意見や文化などの「多様性」を受け入れ、様々な人々と「協働性」をもって行動していく力です。このように大きな社会の変化があるからこそ、教育改革が強力に押し進められているわけです。
- Q2.教育改革は「知識偏重型から思考力重視へ」ということを聞きますが、これからは学ぶべきものが「知識」から「論理的思考力」に変わるのですね?
- いいえ、違います。両方共必要です。「思考力」などの言葉が先行して、少し誤解を生んでいる部分があります。Q1のところでも述べましたが、思考力・判断力の根底にあるものは、知識や技能ですから、これらを軽視するということではないのです。現に、英語の教科改革では、中学校卒業までに学ぶ語彙数は、現行の1200語から2400語に倍増します。ただし、知識や技能を持っているだけでは、これからの激動の未来に対応できないので、思考・判断・表現が同様に重要であり、今までこれらの点をあまり評価してこなかったのですが、これからはこれらの点も同じくらい重要視して評価していこうということです。
- Q3.小学校の英語が教科化されましたが、その分中学校の学習内容は減るのですか?
- いいえ、逆に増えます。新しい「学習指導要領」にしたがって、学校の先生方は指導にあたるのですが、「高校卒業時までの英語力の引き上げ」を実現するために、今まで高校で学習していたものが中学に降り、中学で学習していたものが小学校に降りてきます。Q2でも述べましたが、学ぶべき単語数は倍増しますし、それだけではなく、文法事項も(例えば現行高1で学んでいる仮定法や原型不定詞などが中3で学ぶようになるなど)低学年へ降りてきます。これによって英語の学力はさらに二極化が進むと考えられます。そのような学校での学習指導が変化する中で、
英語をしっかり学べる子になってもらうためにも、 その変化に対応した学習環境を整えてあげる必要があるでしょう。
- Q4.大学入試改革の直接の影響を受けるのは現高1生ではないですか?
- もちろん2021年度は改革初年度ですから、現高1生は大変です。ですが2023年度までは先行実施期間なので、むしろ影響が大きいのは2024年度、本格実施される年に大学受験をする現小6生です。この学年は、中3生になったときに学習指導要領が改定されることもあり、まさに激動の中学・高校6年間を過ごすこととなります。あわてても仕方ありませんが、常にアンテナを張って情報を集めながら、学習を進めていきましょう。
- Q5.英語以外はあまり変わらないのですか?
- いいえ、どの教科でも学校での「学び方」が大きく変わります。具体的には、いわゆる「アクティブラーニング」が取り入れられるようになります。グループディスカッションや探求学習などがそれにあたりますが、これは「思考力・判断力・表現力」を養い、「主体性・多様性・協働性」を身につけていくものです。実は、それらに伴って、入試制度や内容にも変化が見られます。暗記では太刀打ちできない思考力を問う問題や、自らの言葉で記述していく表現問題などが、年々増加しています。大学入試の変更もそうですが、群馬県の高校入試も例外ではありません。
- Q6.新しい学力観についていけるか不安です。どうすればいいですか。
- 保護者の方は、しっかりと情報を集め、理解を深めましょう。知識と思考力の両方を身につけることはとても大切ですが、簡単なことではありません。学校でも新しい学力観にそった授業や評価が行われるようになりますが、これも現在試行錯誤の中で進められています。ですから、これからの中学・高校・大学入試を考える場合は、新しい学力観にしっかり対応している教材や学習塾を選ぶ必要があるでしょう。学習塾のなかでも、十分にアンテナを張って情報を集めているかどうかは千差万別。手前みそではありますが、心水塾では教育改革に沿ったカリキュラムと入試問題研究を最重要課題として取り組んでいます。ぜひ、お子さまのご教育でご相談があれば、お気軽にお問い合せください。